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過去を形にするアーティスト、福田恵(ドイツ・美術家)

芸術祭までいよいよ一ヵ月を切りました。
皆さま、スケジュール帳に予定を書きこんでくれてますか?

参加アーティストも出揃い、制作&搬入ラッシュが予想される糸芸です。

まずは毎晩夜遅くまで絶賛制作中の2014年の招待作家、福田恵さんをご紹介します。
出身は広島の恵さんですが普段はドイツを活動拠点とされています。

糸芸実行委員長、松崎さんと作品制作について思案中。
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ドイツでは約三カ月をワンクールとしたレジデンス形式の制作を行うことが多いのだそうです。
今回、スタジオクラの第二レジデンスハウスにて滞在制作を行われています。
なんと日本では初めてのレジデンスだそう。
日本家屋をひと棟丸っと使えるのが嬉しいと言って下さいました。

そんな恵さんのここ数年間の制作テーマは、その地域や地方の様々な不用品を集めてのインスタレーション制作。
ここ、糸島でも不要になった照明器具を集めています。

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このテーマが生まれるきっかけはドイツでの日常生活にありました。
ドイツでは各家庭の前に置かれたダンボール箱に不要になった本が入っていて、誰でも自由に持ち帰る習慣があるのだそうです。

本を捨てずに道に置き、他の新しい読み手に渡る。そしてまたその家庭の本棚を作る。そんな光景を体験した恵さんは家の前に捨て置かれた本達からその家の雰囲気が見えたのだそうです。
そして、その本を集めて作品制作を行ったのをきっかけに、不用品を素材としたアート作品を手掛けることがテーマとなりました。

2013年「リビングケーススタディ#ベルリン」クンストラウム・クロイツベルグ/ベタニエン、ベルリン(ドイツ)

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2013年「一日は、朝陽と共に始まり、夕陽と共に終わる」ミュンクス教会、ザルツウェーデル(ドイツ)

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各家庭で不要になり、廃棄される日用品。その不要品の集合体には地域の「色」というものが浮かんでいる、と恵さん。

その地域の各家庭に当たり前のようにあった物達、その家庭の、土地の、場所の歴史、習慣が匂いのように染みついている物達を集め、アート作品へと昇華していく。
そのお話を恵さんから伺っていると、もの言わぬ物達のもつ「時」に共鳴し、異空を感じとる作家なのではないかと思わせられます。物の持つストーリーと時の経過とをチューニングしているようにも感じました。
オープニングでは作家在郎予定ですので、作品の事など、ぜひお聞きになってください。

糸島では照明器具に、ソーラーパネルも出動しての作品、どんなものができるのでしょうか。
団らんを灯し続けた色々な照明器具と太陽光パネルで、レジデンスハウスにどのような明かりが灯るのかとても楽しみです!

今度の芸農で展示する福田めぐみさんの作品に使う太陽光パネルを福吉の電気屋さんエレトップカツキさんに貸して頂けることになりました。ありがとうございます!
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芸農スタッフ、有田和樹さん(歴史家)と牧園憲二さん(映像作家)から稲荷の聞き取り調査の話を聞いているところfukuda03
また今回、芸農での取り組みに共感していただき、情報発信していきたいとおっしゃってくださいました。
糸島での滞在制作中に感じたことを「制作日記」というかたちで記してくれるとのことです。
おお、なんだか今までにない、うれしい展開!
ドイツのアーティストの目に映る糸島の日常はどんな風なのでしょうか。

というものの、制作も佳境でありますので、恵さん、ご無理なさらずに!
皆様には開始されたらFBなどで、お知らせしますね。

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■福田恵(Fukuda, Megumi/ふくだめぐみ)美術家
1976年広島生まれ、ベルリン在住。2001年広島市立大学大学院芸術学研究科を修了後、2004-2008年ベルリン芸術大学にてレベッカ・ホルンに師事。空き地を巡る庭プロジェクトや、不要となった様々な日用電化製品を太陽光で稼働させるインスタレーション作品を手がけている。
HP/http://www.megumifukuda.com/

 

【まだまだ吊り照明募集中です!!】
まだまだ不要になった吊り照明を募集中ですので!ご協力をお願いします!あなたのおうちの不要になった照明器具がアート作品の一部に生まれ変わります。
いただきに参りますので、お譲りいただける方ご協力お願いします!

■関連記事→ 「皆様のご不要になった釣り照明を芸農の作品に使わせてください。」